転職先から内定が出て、会社を辞めると上司に伝えた翌週、飛行機のチケットと宿を一通り予約した。
次の仕事が始まるのが翌々月の1日付、なので1ヶ月以上自由に使える時間があった。
転職先の入社手続がけっこう面倒で、色々と準備するものはあるのだが並行して旅行の準備もしなければならなかった。
目的
今回の目的は昔住んでいたスペインで、それまで行ったことないところを含めてイベリア半島を一周すること。
スペインは子供時代を過ごした地ということもあり馴染み深いのだが、イベリア半島の中でも未踏のエリアは割と多い。子ども時代は親に連れて行ってもらうしかないし、親の休みも1週間がいいところなので行ける場所は限られる。
イベリア半島一周はどこかのタイミングで必ず行きたいと思っていた。この機会に有給休暇含めて1ヶ月以上の休みができる。これを逃さない手はなかった。
小笠原で1ヶ月潜り倒すのも考えたのだが、小笠原はまた別の機会に行くことにして今回はイベリア半島一周を実行することに決めた。
ついでに両親のいるアメリカに寄ることにも決めた。
バイクレンタル申し込み
イベリア半島は、前回のドイツ周辺国周遊に引き続きバイクで周遊することを考えていたので、レンタルバイク屋に問い合わせを入れた。
フライトの2日前になってようやく連絡が来た。担当の人が夏休みだか出張だかで連絡がつかなかったようだ。希望していたバイクは何やらメンテ中で別のなら用意できるとのこと。それで了承した。
フライトの前日にさらにそのバイクが問題があって使えないとのことで、1250ccのバイクを代わりにレンタルしようと思うがどうですか、ときた。型が違うことによる差分は無料とのこと。
とりあえず時間もないのでそれでお願い、と伝えた。
利用「しようと」したお店はこちら
ヘルツライド バルセロナ
Motorcycle Rentals – Motorbike Hire | Hertz Ride
1ヶ月もレンタルするとまあまあいい値段する。
ただ、買ってひと月で売るというわけにもいかないし、自分のバイクを持っていくのはさらに大変だ。
以前、バイクでユーラシア横断する人のブログを読んだことがあるが、ものすごい手間だと思う。
国際免許証もあらためて取り直さなければならない。江東免許試験場まで取りに行った。
荷物
荷物は例によってボストンバッグと軽いリュックで行く。
ボストンバッグは約半分がヘルメットやバイク用品で埋まる。
残りの半分のスペースに充電器類、衣類、現地の友達(の家族)へのお土産などを詰めていかなければならない。
衣類はシャツ5日分、下着6日分、ズボン3着、レストラン用に襟付きのちゃんとした服などを用意した。
途中洗濯できるように、ジップロックと粉洗剤(アタックの棒状のやつ)も入れた。コンタクトレンズも多めに30日分。あとは小さいタオルとか。
必要最小限というわけではないが、バイクの積載容量を考えてこの程度にしておいた。
雨具については、あまり雨の降らない国だし、自分も晴れ男なので持って行かない。
降られたら降られたで大人しく雨に打たれよう。
ルート
1周といってもずっと海岸を行くわけではなく、内陸の都市にも寄るからもっと複雑になる。
1ヶ月(イベリア半島は3週間)を存分に使い倒すために起点を中央部のマドリにするか、南部のマラガから縦断してバルセロナで乗り捨てにするか色々考えた。
結局考えたルートは次の通り。太字は以前にも行ったことある場所。赤字は宿泊予定の町。
- バルセロナ(スペイン第二の都市)
- バレンシア(オレンジで有名)
- アリカンテ(サンタ・バルバラ城があるがあまり有名ではない)
- カルタヘナ(ポエニ戦争のカルタゴ側の拠点)
- マドリ(首都、美術館とかたくさんある)
- セゴビア(ローマ時代の水道橋で有名)
- トレド(古都)
- コンスエグラとカンポ・デ・クリプターナ(ドンキホーテの風車で有名)
- メリダ(古代ローマ属州ルシタニアの州都)
- コルドバ(後ウマイヤ朝の首都、メスキータで有名)
- グラナダ(アルハンブラ宮殿で有名)
- タリファ(ヘラクレスの柱)
- ロンダ(断崖に建てられた街。有名ではないかも。)
- セビーリャ(大聖堂のヒラルダの塔で有名)
- リスボン(ポルトガルの首都)
- ポルト(ポルトガル第二の都市)
- ヴァレンサ(要塞都市。全く有名ではない。)
- サンティアゴ・デ・コンポステーラ(キリスト教聖地巡礼の最終地点で有名。)
- ア・コルーニャ(ローマ時代の灯台で有名。)
- ルーゴ(ローマ時代の都市だが有名ではない。)
- ヒホン(友人の実家がある。有名ではない。)
- ドノスティア(スペイン語ではサン・セバスティアン。バスク地方の主要都市で美食の町)
- パンプローナ(ポンペイウスに由来する街。牛追い祭りで有名。)
- サラゴサ(カエサルアウグスタ、アウグストゥスの植民都市。ローマ遺跡があちこちにあるが日本人にはあまり聞かない街かも。)
- タラゴナ(ローマ属州ヒスパニアタッラコネンシスの州都。バルセロナに近くてあまり有名じゃないかも)
- バルセロナ
この後両親のいるアメリカに向かう。
スペインもポルトガルも歴史ある国なので、遺跡や美術館、博物館が充実している。世界遺産もかなりの数ある。
これだけ時間があっても全て回り切るのは至難の業だ。実際、時間がなくて飛ばしてしまった街もある。
地図を眺めるとあちこちに遺跡があり、古代ローマの影響力の大きさがよくわかる。今回の旅行では遺跡巡りが中心になる。
予算
学生時代ですら3週間旅行したのが最長で、しかも電車とバス移動がメインで泊まるのも安宿ばかりだったから、飛行機代抜きで10万〜20万円もあれば3週間ほどなら余裕で過ごせた。
それに学生時代は円高の時代だった。1ユーロ120〜130円くらいだし、物価も今ほど高くはない。
今はコロナ(後の経済回復)と戦争とであらゆるものの値段が上がっているうえに、給料は大して上がらないので、お財布的には大打撃になる。
今回行ったのは1ユーロが160円台、1ドルが140円台という信じられない相場の時期。ガソリンも日本でリッター170円近く、ヨーロッパではもっと高い。計算するのも嫌になる。が、そういうわけにはいかないので事前にどれくらいかかるか試算する。
1日あたりの食費を1万円、多めにみて1.5万円とすると、3週間で31.5万円。全て外食になるので仕方ない。
レンタルバイクは3週間借りて30万円。
1日あたり総走行距離がだいたい5000〜6000kmで、移動日は1日500km程度移動することを考えてガソリン代を出す。多めにみてリッター200円として、借りる予定のバイクの燃費がリッターで20kmなので1日5000円、総走行距離で考えると5万円。ずっと理想の燃費で走れるわけではないのでこれよりも増える。
宿代は宿の格によるが、民宿みたいなホステルからパラドールという国営の高級ホテルまでいろいろある。円安と物価高もあってホステルですら1万円はかかる。3週間で30万円を見ておくのがいいだろう。
博物館や遺跡の入場料は場所によるが、有名な観光地では20ユーロくらいするし、小さい博物館では無料のところもある。だいたい5万円程度みておけばお土産も買える。
飛行機代はロンドン経由バルセロナ着、バルセロナからアメリカ行き、アメリカから帰国する便を合わせて25万円程度した。
モバイルWi-Fiも必要だ。1ヶ月間、ホテルや観光施設のWi-Fiだけで過ごすわけにもいかないので空港受け取りにして申し込みをした。10万円。
そのほか、道中の買い食いや乞食対策に1万円あればいいだろう。
カルタヘナでダイビングをすることも考えていた。とりあえずWEBから申込をしたが、出発の日になっても返信がないので諦めていたが、予算的には2万円あれば足りる。
まとめるとこんな感じ。
- 食費31.5万円
- バイクレンタル代30万円
- ガソリン代5万円
- 宿代30万円
- 観光5万円
- 飛行機代25万円
- 通信費10万円
- その他1万円(ダイビング代2万円)
合計137.5万円(+2万円)
とんでもない金額だ。貯金が消し飛ぶ。物価高と円安がなければ100万円は超えなかったと思う。
ただ、人生で一度できるかできないかの大旅行を実行するためなのでケチケチしていられない。
レストランと一部の博物館などの見学料を除いてほとんどWEB申込でカード決済なので、実際に現金で持っていくのは20万円程度になる。レストランもカード払いでいいし。
ひったくりやスリ対策のため、一応現金は分散させて持っていく。
とりあえず準備編はここまで。